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宇宙ビジネスコート主催「ビジネス交流会 SUMMER2018」(2018.7.24)に参加してきた「コペルニクスとは」

 こんにちは。wakuphasです。

 

今日は宇宙ビジネスコートが主催する、ビジネス交流会に参加してきました。

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 この交流会自体は、宇宙をキーワードに既存事業の幅を広げたい方や衛星データを活用して新たなビジネスチャンスをに見出したい方のための、ネットワークの構築を目的としたイベントであり、本日で2回目の開催となります(前回は2018.1.12)。

参加者は、ICT調査機関、ITベンチャー、ビジネス開発、不動産テック、フィンテック、通信サービス、マーケティング、地域産業振興団体、芸能プロダクション等々多様な産業界出身の方々が集っていました。

 

また交流会だけでなく、欧州Copernicusの最新動向やアクセス方法をご紹介するセミナーの時間も1時間ほどあり、非常に有意義な時間でした。

今回の記事ではこのコペルニクス計画についてまとめていきたいと思います。

 

 

コペルニクス(Coupernicus)とは 

コペルニクスとは地球観測衛星(宇宙)現場データ(地上)に基づいて、ヨーロッパの情報サービスを開発することを目的とした欧州連合のプログラムです。

一言で言うならば、EUの所有する全ての地球観測データを一元管理して、だれでもアクセスできるようにしたデータプラットフォームです。

 

特徴は:

ヨーロッパだけでなく地球全体の観測データ

ほぼリアルタイムのデータ提供

高解像度

データの定期的かつ体系的なレビュー

人災や自然災害への対応を向上する迅速なレスポンス

国が運営しているので無料 

 

 

参画機関一覧

欧州委員会

EU加盟国

欧州宇宙機関 (ESA

・欧州気象衛星推進機関 (EUMETSAT)

・中規模気象予報センター (ECMWF)

EU参加機関

・海洋予報NPO団体Mercator Ocean

 

まさにEU全体で取り組んでいる大規模プロジェクトといえます

 

 

具体的なデータソースは以下の3つ

1. 新規衛星Sentinelシリーズ(Sentinel1-6、将来的には20機体制)

2. ESAの観測衛星やEU諸国の民間企業の商業衛星など既存のデータ

3. 現場データ(In-situ Data): 欧州環境機関(EEA)やEU諸国が所有する地上・海上・空中センサー、気象所、船舶、航空機などによって得られた観測データ。

 

これらのデータを蓄積していくことで、最新情報を高い信頼をもって提供することが可能となっています。

 

 

提供しているサービスは6種類

コペルニクスが提供するデータプラットフォーム6分野あり、ユーザーは用途に沿って各サービスにアクセスします。

 

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コペルニクスの6つのサービス

 

 

しかし欧州のサービスには課題も

・欧州にはコペルニクスの6つのサービスを含め、10個もの地球観測データプラットフォームが存在する

・また学術研究者向けに作られているのでやや専門的で、UIが使いづらい

クラウド上で解析できないので膨大なデータをダウンロードするのに時間がかかる

・データはダウンロードできるが、解析ツールがわからない

 

⇒これらの課題を解決するよりユーザー目線のプラットフォームが必要です。

 

 

DIAS、RUSの登場

コペルニクスにおける上記の課題を解決すべく、欧州委員会が民間への委託事業として展開する、利用しやすさにフォーカスした新たなデータプラットフォーム事業を、DIAS/RUSと呼びます。

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DIASとRUSの違い

1. DIAS(Data Access & Information Service)

コペルニクスの6分野のデータを一元管理

クラウド型プラットフォーム

・解析もオンライン上で可能

・民間企業のコンソーシウムによる民間サービスとして運営

・4つのコンソーシウムが独立にサービス提供するため競争原理による成長

・民間によるものなのでおそらく有償

 

2. RUS(Research & Usersupport for Sentinels)

・Sentinel衛星の練習用・学術研究用プラットフォーム

クラウド上でデータ管理・解析可能

・商業利用は不可

・専門家によるサポート

・基本的に無償

 

そしてこのDIAS(ディアス)のコンセプトの一つとしてマーケットプレイスを設置するというものがあります。つまり、Apple Storeのようにユーザーが開発したアプリやツールを販売できるプラットフォームの役割も兼ねているのです。

 

 

 

以上です!

今回は欧州の地球観測データ補完計画こと「コペルニクス」の今についてまとめてみました!

日本でもさくらインターネットJAXAの画像データをクラウド化し、オープンアクセスできるようなサービスを2019年2月頃を目処に開始します。高解像度の画像や分析結果の販売も行っていくようです。

衛星データビジネスを始める際、一番の壁がデータ収集と処理方法なので使いやすいプラットフォームが完成すれば一気にビジネスが広がるでしょう。

さくらインターネット、政府衛星データをオープン、フリーに使えるプラットフォームを提供へ:衛星データと地上データを融合 - @IT

 

 

またコペルニクスリレーネットワーク日本拠点というものが2017年3月に誕生しているので、コペルニクスのデータ利用に関する相談・お問い合わせはこちらに!

www.eu-japan.eu